嫌いな言葉は縁の下の力持ち




昔から校正者がよく言われる言葉に「縁の下の力持ち」「陰の立役者」というのがありますけれども、これがとにかく大嫌いな表現なんですね。虫唾が走ります。この記事を出版社の社長や編集者、それとブラック編集プロダクションやブラック校正会社の方々が運よく見つけて読んでくださるといいんですがね。頼みますよ、あ!そこのあなたよ、そこの!


言葉だけの話なら別ですが、本当にそう思っている人間がいるのが困るんですね。不快でありいい迷惑でもある。だいたい「縁の下の」ですとか「陰の」というのはね、考えたらものすごく失礼だってことに気づきません? あ、気づかないです? それではなおのこと話を続けなければなりません(笑)あのですね、そうやって陽の当たらない裏っかしのほうですとか、湿気の強い部屋の奥のほうですとかにね、校正者を押し込むのはいい加減やめなさいってこと。私たちは縁の下になどいやしないし、陰に潜んでいるわけでもありません。あなたがたと同じ土俵にいることをあなたがたが認めないというだけの話です。頭大丈夫ですか?


編集と校正の「主従関係」積年の問題ですけれども、ここをカギ括りにしているのは編集者と校正者が「主」と「従」の関係にあるとは微塵も思っていないからなんですね。それから校正者、校閲者でもいいですが、こちら側にも一定の「問題」がある。なにせ口下手、自虐的、社会性を欠き「言わない」「主張しない」もちろん仕事内容、料金に関することですがボランティアじゃないんですから黙っていないで挑むべきだと思いますよ。プライドがあるならそうすべきですし、そうしないではいられないはずです。それともプライドが持てるほどの実力がありませんか。プライドを保てるだけの実績を積んでいませんか。プライドで自身を支えられるほど熱心には仕事をしてきていませんか。ね、そういう「問題」というものがあります。この件はいずれまた記事にするかとも思いますので、今日のところはこのへんで。


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