確定申告、今年は振込が遅かった還付金





確定申告書は毎年のこと、1月末から2月の第1週前半に郵送。およそ3週間と数日で還付金が振り込まれるのが常だったのですが、今年は例外的に遅かったですね。4週を過ぎ5週を経て、ようやく指定の口座に振り込まれました。

自民党議員による一連の裏金問題で税務署内がガタついていることは、テレビのニュースでも報じられていたぐらいですから、今年は振込まで時間がかかるかもしれないと予想しており、実際そのとおりになりました。

窓口でのクレーム、電話でのクレーム、われわれ一般の納税者が「カネに汚いにも程がある」多くの政治家のやり口に激怒し、その矛先が税務署内で仕事をする人々に向けられたわけですね。

その対応に時間と気力と体力が削がれる分、例年どおりに処理が進まない厄介な状況に彼らが見舞われたことの煽りをくったとも言えるでしょう。しかし世耕はいつ見ても不快ですねえ・・・レベルが高いんだよなーこいつは(笑)



自分は年末年始を含み、時間の余裕がほぼありませんでした。細かな細かな1円単位の確定申告事務を進めつつ、デスクの片側には仕事が満載、サイドデスクにも満載、引き出しの中にも詰まっているという状況でしたから、税務署員向け「怒り爆発の苦情電話いざ発信」は物理的にまず無理でした。

ただ、それにもまして苦情を入れなかったのは「怒る相手は別の場所にいる」という事実が大きかったせいですね。それをやるなら筆頭は首相官邸、僅差で2位につけるのは自民党本部だと思います。

今どき電話はどうなっているんでしょうか。分かりませんが「ご意見募集」ページはすぐに見つかりました。このフォームからの送信以外に文句をつける手段はないのでしょうか。

昔は電話をかけられたんですけれどもね。今も可能であるなら「代表電話にガンガンかけろ」(笑)「つながらなくても諦めるな」(笑)「受話器とるまでかけ続けろ」(笑)というところですか。声を大にして言いたいですね。電話がOKで時間さえあれば今回は間違いなくやってました。

自分のように所得税を先取りされている人間とは異なり、これから所得税を納める立場にある人々にとっては、せっかく仕上げた細かな細かな申告書等関係書類に窓口で突っ込みを入れられたり、問い合わせの電話に対してぞんざいな口をきかれた瞬間に火がついて腹立ちを抑えきれない等々の状況は、個々人それぞれに持ち上がってくるものでしょう。





「あの政治家たちの納税はどうなんだよ!」と言い出さずにはいられない気持ちは理解できましたが、それは当事者もしくは当事者周囲に向けないと意味がないのではないか、効果も生まないのではないかと思いました。だいたいなぜ無関係の人間にぶつけることができるのかと不快でさえありましたね。そういうのを八つ当たりというんですよ。

振り返って自分自身が記憶している首相官邸への苦情電話は、小渕恵三内閣時と小泉純一郎内閣時の計2回。その際は住所を告げ、本名を名乗りました。当然ですね。隠す必要がありません。

またそういう態度で臨みますとね、向こうの受け止めも違ってくるんですよ。どれほどこちらが説教し続けても向こうは絶対ガチャ切りをしません。ずっと聞いています。聞くだけではない、一つ一つに答えを返してきます。

小泉内閣のときですが、応対した秘書官の言葉を私はいまでも忘れていないんですね。「総理も悩んでおられます。真剣にお考えになっています。お聞きしたことは必ず総理にお伝えします」――そうなの、これでいいんですよ。

私はそこで話をやめました。「通じている」と分かったからです。本当に総理に伝えたかどうかは知りませんよ。でも伝えたかもしれないですよね。本当に伝えたかもしれないじゃないですか。

ヒトは言葉を使える唯一の生き物であることを常に自覚して暮らすことが大事だと思います。加えて相手を誤らないことも重要なポイントでしょう。言葉は正しい時に正しい的に向けて放ってこそ、最も強く活きるんです。

今回の「税務署 VS.一般納税者」という、従来この「リング」上に発生しがちな「真剣な闘い」は、そうであるにもかかわらず、やくざ者より始末が悪い一部の自民党議員には「貧乏くさい所詮は俺たちと住む世界が違う下っ端同士の小競り合い」としか映らなかったのではないだろうか、その程度にすぎなかったのではないだろうか、しかしそれはわれわれ納税者にとって非常に悔しいことであり、許すべきことではないのではないか、これからずっと許してはならないのではないかということが自分にはストックされましたね。

最後ですが、税務署内でお仕事をされていた皆さん方、今年は本当にお疲れさまでした。この程度の遅れで済ませるのですから、やはり日本の働き手のレベルは総じて高いとあらためて知らされた思いです。無事還付金も振り込まれ、これでやっと令和5年度も終了です。来年もしっかり納税をいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。



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