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仕事と趣味と語学と大学で忙しい

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写真は私物の級数表。 これに関連して後ほど少し書きますが、以前 日本エディタースクールで購入 したもので、もう何年使っているでしょうかね。思い出せません。過ぎたことをどんどんどんどん忘れるようになりました。例えば「昨日の夕飯は何だったっけ?」――この程度ですでにハードルが高く〈中堅私大〉レベルです。 そんな調子ですから、A社の直近の案件は何だったか、つまり「このあいだこの会社でやったのは何だったっけ?」ともなりますと〈難関私大〉レベルで、まず答えが出てこない。わざわざファイルを取り出して記録を見ないと分からないうえ、書名や誌名を見たところで「そうだったっけ? もっと前にやった気がするけどな」といった具合にかなり間抜けな感じです。 どう転んでも1日は24時間。 やることを詰め込みすぎているのかもしれません。タイトルのとおり「仕事と趣味と語学と大学で忙しい」毎日を過ごしています。最優先はもちろん仕事。小市民ですからね(笑)――そして趣味のストーンペインティングと詩作。 ストーンペインティングは昨秋から ですが、詩作は十代終わりの同人誌投稿に始まり、周期的に訪れる創作意欲が湧くときに限って書いています。たまたま今がその時ということですね。 語学は英語のリスニングに集中、無料学習サイト「 BBC Learning English 」を利用しています。日本メイドの教材に面白味の無さや手詰まり感を覚える人は、お試しになってみてはいかがでしょうか。 出所:BBC Learning English ホームぺージ( https://www.bbc.co.uk/learningenglish/english/course/newsreview ) それから大学ですね。 2021年に卒業した放送大学 に再入学していますのでその勉強。来学期からのコース変更に先んじて不得意中の不得意分野、しかし面白そうでたまらない理系科目の放送授業をインターネットで視聴しているのですが、すでに分からないところが多すぎます(笑) 出所:放送大学ホームぺージ( https://www.ouj.ac.jp/gakubu/ne/ ) とにかく「次これ、次これ、次これ、次これ、はい寝る」と大変規則的ではあるのですが、そうしてどんどんどんどん先へ先へと進む活力が漲りすぎている日々のせいで、過ぎたことは等分に忘れていって

好きなことが得意分野になる校閲の仕事

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  Photo by Steven Libralon on Unsplash 校閲の仕事は、自分の好きなことが実務で活きてくるケースがあります。映画、音楽、演劇、絵画、グルメ、サブカル、スポーツ、旅行、何でもいい。学問分野も同様です。歴史学、宗教学、民俗学、人類学、考古学、言語学、政治学、経済学、社会学、化学、数学、生物学、物理学、宇宙科学等々、もっとあるでしょう。そのほかIT・金融・労働・福祉・教育・医療関係など、この〈世界〉は多岐に及び、社会におけるそれらの発現の一つとして、数多の書き物が出回っているというわけですね。市場への流通を前に、その制作工程において一定の〈面積〉を占めている仕事の一つが校閲です。 自分に「できること」は多くない、あるいは何もないという人でも、自分の「好きなこと」となれば違ってくるのではないでしょうか。〈好きこそ物の上手なれ〉という言葉もあるように、好きで夢中になれることのある人は、誰に言われなくても対象に向かって突っ込んでいくものですよね。そんな「何か」に関してならば、おのずと知識が増していくものですし、身体的な実践を伴うことである場合には、知識に加えて上達や熟練も見込まれます。そうした過程の只中にあったり、何らかの到達点に至ったり、ある一定の成果を得たりする、すなわち「ただ好きだっただけのこと」が結果として身に付き、自身の特徴的な能力にまで昇華した場合、それは職業人としての〈血肉〉となって、校閲という一つの仕事においても活かされるようになる。校閲ジャンルの「私の得意分野」と化すことがあるわけです。 身近なところで例を挙げれば、競馬歴30年余のフリーランスで、競馬新聞の仕事を長年やっている知人がいます。自分は賭け事と無縁で来ましたので、競馬新聞はどのように校閲すればよいものか見当がつきません。競馬新聞は手に取ったことすらないんですね。ですから仮に話があったとしても、できて校正、間違っても校閲は請けることができません。それから料理が好きで腕前もセミプロレベルではないかという、やはりフリーランスで女性誌複数のレシピ欄の仕事をもう10年以上やっている知人がいます。調理や料理、食材や器具には、外国語も含むさまざまな言葉があるのでしょうし、「ここで『茹でる』はおかしい」「そこで『いちょう切り』はない」「絶対『5分程度』はありえない」等々、突っ込

校閲に必要な三つの能力

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  Photo by Shumilov Ludmila on Unsplash 仕事は大方書籍の校閲だと言うと「すごいですね」と返ってくることがある のですが、おそらくそれは、なんでもかんでもよく知っている、ものすごい知識量を持った人なのだと誤解するせいではないかと思います。なんでもかんでもよく知っている人など、この世にひとりもいないはずですし、自分を例に挙げれば、なんでも知っているどころか、知らない、分からない、興味もなければ関心もないことのほうが圧倒的に多いですね。 校閲に必要なのは第一に「ここは正誤を確かめないとだめだな」と〈問題の山〉の部分が百あれば百すべて拾い上げる能力。第二に「それを確実にするために当たるべきはここだな」と〈解答の家〉のある場所に誤らず辿り着くか、端から正解を知っているかの能力。第三にそれらを提起する際、編集者と著者が再考・撤回・修正等へと導かれうる適切な言葉を用いて的確に伝える能力。これはコミュニケーション能力とも言えますね。 最後の第三については、こちら側の指摘の根拠となった参照資料を提示するのが良いと思います。目にすれば明らかですから実効性がありますし、編集者と著者が改めて調査し、確認をする作業に費やす時間と労力を省くこともでき親切です。 もう少し細かに言えば「ここはこうですよ、そこはこうですよ」と、あくまでこちら側が出した結論のみをゲラに書き込むような〈言いたい放題〉の在り方では、たとえそれが正しくても先方とて大人ですから、言われるがまま即座に応じることはなかなかできないものですよね。「これのどこが違うの?」「何を根拠に言ってるの?」という反応は、自分の身に置き換えても、ごく自然なものだと思います。先述した「コミュニケーション能力」は、ここのところを指す重要な部分となります。 「伝えたい、分かってほしい」――そうであるなら口だけではなく態度で示す、そうと言い換えることもできるでしょう。誠実さですね。「そのぐらい言わなくたって分かるでしょう?」という手前勝手な在り方は、どんな仕事においても、また様々な人間関係においても「それでは通らない」幼稚で厄介なものだと思います。 先に挙げた三つの能力が求められ続ける一冊の本の〈記述の海〉を単独で進み、大波小波をかきわけながら最後の最後の一行まで気を緩めることなく集中し、優れたフォームと極力速

中小企業庁、名指しの調査協力依頼

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毎年のように秋になると「やってくる」中小企業庁からの「あなたさまは取引先からいじめられていないでしょうか」の調査協力依頼。以前は封書での郵送・返送形式であったものが、いつからでしたか画像のようなハガキで到着、オンラインでの回答形式に変わりました。たまたま忙しいときにぶつかってしまうと時間が取れず、回答不可となることもあるのですが、今年は若干忙しい合間を縫って提出を済ませました。と言いますのも、年度によっては「何か困ったことは起きていませんか」というお伺いのみなのですが、そのほかにもうひとつ「この取引先との間で問題は生じていませんか」と中小企業庁側が特定の企業を名指しして調査協力依頼をよこすケースがあり、今年は後者であったためです。 我々回答者側からの〈よくある質問〉Q5には、ご覧の通り「調査回答したことや回答内容が親事業者などに知られることはありませんか」と記されています。回答することに不安を覚える人々が少なくはないのでしょう。取引先から「やり返されはしないか」と恐れる人々が存在するということですね。逆ギレすなわち「報復行為」と称されるものですが、察するに相も変わらず体質が古く頭の悪い親事業者が跋扈しているのでしょう。本当に残念なことですね。いや我々のほうがではなく旧態依然とした懲りない企業のほうがですよ。そんな「強者」まがいの取引先を相手とする我々「弱者」設定の労働者を安堵させる文言がA5に記されています。「本調査にご協力いただいたことについては、秘密を厳守いたします」―― なるほど。「それなら安心、回答しようか、実際こんな困ったことが起きているし、聞いてくれるものなら聞いてほしい、助けてくれるものなら助けてほしい」――そんな感じの流れになるのでしょうかね。よくは分かりません。国に泣きついたことは過去にありませんのでね。 私に関して言うならば「いやいや、名前出してくれて結構ですよ、全然オッケーです、永山です、永山明子です」――「あの、永山さんて女性なんですけれどもね、これがまたやたらと弁が立つ感じの方で、お話を伺いましたらこんなこともある、あんなこともあると仰っているんです」―― そんな調子で思いきりやっていただいて結構なんですよね。何が言いたいか。世の中びくつくばかりが能じゃないってことです。人を頼りにするのもいい、そうした「気の毒な話」に耳を傾けることを職務と

フリーランスという選択

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Photo by Lubo Minar on Unsplash 記事のタイトルを考えたときに「フリーランスという生き方」という安直なフレーズが浮かんだものの、すぐに却下したのは偉そうだなと思ったからです。だいたい生き方などというものは、実際語りきれるのかという疑問もにわかに生じましたのでね。その昔「オレ流」というのがありました。当時プロ野球選手だったある有名人から発生した言葉ですが、これなども穴があったらこちらのほうが入りたくなるぐらいに気恥ずかしい。ところが最近になって、今春から配信を開始したというこの方の動画サイト名に、懐かしくも再び「オレ流」の文字が躍っているのを目にしてしまいました。ただ単に相性が悪いのでしょう。女とはいえ江戸っ子の私からしますと、いい歳をした大の男がベラベラベラベラいつまで経っても「オレ語り」を展開するのは、美しい男らしさと遠く離れて整合しないように思われます。 ご覧の通りタイトルは「選択」という言葉に落としましたが、これは自分にとって実際にも選択であったことが大きいですね。在宅校正者としてかれこれ10余年、会社勤めという主流の働き方に終止符を打って以降、短くはない時間が経過しました。行きも帰りも満員の電車で疲弊するのが日課の一つという、ごく一般的な社会人の在りようとは無縁の暮らしです。タイムカードもなければ、給湯室で上司の悪口に花を咲かせることもなく、アフターファイブでまずい酒を吞まされることもなければ、銀座のコリドー街でちゃらい男に引っかけられることもないレモンのように爽やかな日々。 目を奪われるような種々の煌めきからは遠い半面、目に障って仕方がないガラクタのような人間やろくでもない出来事に煩わされることも大方ないと言ってよい「まるでここは小宇宙」のごとく単独の、しかし自身の居場所を確かに捉えることができる時空間。たとえ小さくともまとまり、自らの制御と掌握が利く日常が、いいか悪いかを別とする現在のライフスタイルです。そんな暮らしぶりにご関心を寄せる方々には、今回の記事も何かしらお役立ていただくことができるのかもしれません。   ご承知のとおり、新型コロナウイルス感染症の影響により、いまだ世界は平常の暮らしを取り戻しきれてはおらず、さらにはロシアによるウクライナ侵攻等も重なり、ますます先が見通せない状況に陥っています。そうし

総理と「わたし」の無関係な関係を笑う

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こんにちは、お久しぶりです。 3月は仕事が忙しく、そのうちそのうちと思いながら4月になだれ込み、 もうじきもうじきと思っていたら5月も変わらず6月も同様。 やっと緩くなってきたなと思った頃には早いもので7月ですか。 休止していた校正&校閲キャリア相談を再開しますので、何かありましたらどうぞ。 〈CONTACT〉に記載のメールアドレスまでご送信ください。 また休止以前、すでにメールでのやり取りを終えている方々の中には、 その続きがあるという方もいらっしゃるかもしれません。 申し訳なかったですね。いつでも気軽にご連絡をくださればと思います。 さてさて。 英語のブラッシュアップで一定期間オーストラリアに渡ることも時々考えはするのですが、 今どきジャパンの総体的低所得状況が彼の地とかけ離れてあまりにも不整合、 加えて円安も更に進むのではないかというダメ押しに見舞われ、容易にいきそうもない部分は無視できません。 学生さんの海外留学というのも、いっそう難しいものになっているのではないでしょうか。 ところで先般の日本国内閣総理大臣発「インヴェスト・イン・キシダ」― これには大笑いしましたね。 これほど先行き不透明な問題山積ジャパンに身を置きながら大笑いですよ。 精一杯な感じの日本語読みも耳について離れず、うっとうしい限りです。 「お前さんに投資?」 「誰が?」 最低賃金全国平均が1000円にすら到達していないダダ下がりの国のトップにどこの物好きが投資するんです? 一体全体どうしたらそこまでズレまくることができるのでしょうか。 それとも「いよいよ途上国並みに成り下がるのも時間の問題かジャパン」と見る私のほうがズレまくりなのでしょうか。 「はい、そこで」と政治に物を言うのもよいのですが、鏡に映る自分自身への物言いは一つとしてないでしょうか。 私の場合、仕事が最優先ですが、時間の許す限り新たな学びに取り組んでいます。 足りていないこと、よく知りたい、理解したいと思うことが多いものですからね。 同時に、それらが生活の糧の一部となるだけの能力と化すレベルに達することを常に意識し目指しています。 そうです。 出来損ないの不確実な政治に文句を垂れるいっぽうの偏りを遠ざけ、 可愛いくて仕方がない自分への投資を自ら着実に積み上げる日々の効果は絶大と考えており、 これは自身の経験からも確信を持って言

還付金が来た、春が来た

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Photo by Mink Mingle on Unsplash 今年の還付金が3月3日に振り込まれ、1年無事に終わったなの春が来ました。例年になく振込が早く、簡易書留で郵送後 24 日目。そこまでスピーディーだったことは過去ありません。早い場合で今月 10 日頃と踏んでいたものですから少し驚きました。どういうことなのでしょう。 コロナの影響で仕事が変わる、経済、金銭が変わる、いろいろと入り組んで確定申告事務に要する時間が増える、提出がギリギリになる、あるいは倒産、廃業、閉店等々の大きな変化が全体的に増していることの反映なのでしょうか。 以前にも記事で触れました が、くれぐれも還付金詐欺には気をつけましょう。「還付金がありますよ」「お金が戻りますよ」という電話は 100 パーセント詐欺ですからね。時代が悪いので、よからぬことを考える輩も増え、その手法も随分巧みになっているようです。 このご時世にあって幸いなことに仕事が忙しく、姉妹サイト『在宅校正者の日々短文ブログ』のほうも易々と更新できません。そんな中ではありながら放送大学再入学、他にも新たな勉強に取り組み始めたこの春です。それについては時間ができ次第、別途記事にする予定です。 「体が2つあるとよい」「1日が 36 時間あるとよい」などと思ったところで、こればかりはどうにもなりませんものね。ファイト一発、 高麗人参茶 を味方につけて粘り強く地道にやっていこうと思います。 *****

祝・グーグル検索上位表示、おかげさまで1位&2位

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グーグル検索で「校正者」「ブログ」と入力をしてみますと、本日2月13日現在、めでたく上位表示、1ページ目のデフォルト 10 件中、『在宅校正者のニコニコブログ』が2位、姉妹サイト『在宅校正者の日々短文ブログ』が1位となっています。読者の皆さんにはいつもご訪問いただき、本当にありがとうございます。 👆画像クリックで拡大表示可 どちらのブログもまだ投稿数は多くないのですが、よくご覧いただいているようで嬉しく思います。以前運営していたブログ複数を閉鎖後、新たに昨年8月に開始したのが当ブログ、追って「多忙で書けない時期専用」の『日々短文ブログ』を開始したのが同じく昨年 11 月。これからも努めて、お役立ていただける記事を投稿してまいりたいと思います。 👆画像クリックで拡大表示可 読者の方々からは、さまざまな内容のメールをいただいておりますが、キャリア相談にせよ、校正を学習する過程や実務の場における心配事や悩み事にせよ、仕事に関連する事柄でしたらなんでも結構です。いつでも躊躇することなく、私でよろしければお気軽にご連絡ください。言うまでもなく、読者の皆さんあってのブログサイトでもあります。 今日は喜ばしい出来事のご報告とともに、簡単ではありますが御礼まで。 今後ともよろしくお願いいたします。 Photo by JOSHUA COLEMAN on Unsplash ※ご連絡は〈CONTACT〉に記載のメールアドレスまで。 ※関連記事「 校正&校閲の仕事に興味がある方へ 」「 校正&校閲、キャリア相談は完全無料 」のほうも、よろしければどうぞ。 *****

確定申告マーチ、水前寺清子の歌声とともに

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悪さをする奴らが消えてなくなりませんね。還付金詐欺が倍増、急増しているそうです。奴らを絶滅させるには「引っかからないこと」― それひとつしかないでしょう。自治体や税務署、年金事務所や社会保険事務所、金融機関等々から「還付金がありますよ」「お金を受け取れますよ」といった電話がかかってくることは絶対にありません。もう何年もの間、警察も注意喚起を行なっていますよね。 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/sos47/case/refund/ 私は毎年確定申告をしており、必ず還付金があります。確定申告書をはじめとする必要書類一式を所轄税務署に提出するのですが、以後、自身が指定した金融機関の口座に振込が為されるまで、一度として電話がかかってきたことはありませんし、電話ではやらないわけですね。一定期間を経てある日のこと、次のようなハガキが自宅に郵送されてきます。 上の画像は、向かって左半分にもちろんのこと保護シールが貼られた状態で到着したものを取り去った写真です。個人情報、それに連なる所轄税務署名等々はすべて伏せてありますが、昨年2月に送付されてきた令和2年度分のもので、還付金の振込手続開始年月日の箇所には「R3.2.25」と印字されています。 今年の確定申告書の郵送を昨日済ませたところですので、3月中旬から遅くとも下旬には、還付金の振込が為されるでしょう。ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、還付金のある申告者は、2月 15 日を待たずに確定申告書を提出することができます。所得税を先取りされていますので、税務署は「取りすぎている税金をお戻ししなければならない」わけで、「△△と申しますが現況いかがでしょう? まだ日数かかりそうです?」などと問い合わせの電話をかけようものなら、かなりの低姿勢で進捗状況を教えてもくれます。 確定申告事務は慣れてしまえば何ということはありません。フリーランスの方々は面倒臭がらずにしっかり行ないましょう。取引先企業に迷惑をかけることがあってはいけませんよね。何より自分自身のために良いことにはなりません。「ザ・お役所」の税務署は、意外なほどに当たりが柔らかく親切です。「きちんとやろう」とする納税者には「きちんとしよう」というシンプルな好循環でしょうかね。合い言葉は〈清く正しく納税者、政府叩きは容赦なし〉というこ

フリーランスの泣き寝入りは発注企業の思う壺

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年明け最初の投稿になります。今年もよろしくお願いいたします。 本日は、2022 年1月27 日配信のニュース記事をひとつ紹介したいと思います。 上の画像はご覧のとおりNHKですね。いろいろ大変な昨今ですが、フリーランスの皆さんも非常に厳しい状況にある方が少なくはないでしょう。まずはササっと「泣き寝入り」の文言を安い辞書から削除することにいたしましょう。校正用語でいえば「入朱」ですね。赤ペン1本を取り出して「トル」と書き込むだけでOKなんです(笑) 赤色の囲みを見てみましょう。厚生労働省等がフリーランスを対象とする相談窓口を開設しているのですね。名称は「フリーランス・トラブル 110 番」― なるほど「110 番通報」ということですね。ひゃくとーばん・つーほー、ですね、分かりました、覚えておきましょう。記事によれば、2021 年 11 月末までの1年間で寄せられた相談件数はおよそ 4000 とのこと。政府も対策強化の検討に入っているそうですから、おそらく本件は推進されるものとみてよいでしょう。 緑色の最初の囲みを見てみますと、企業などから個人で仕事の発注を受け、報酬を得ている人は、2019 年時点で約 170 万人に上るとのこと。「ああ、私もそこに入っていますよ」と一言。同時に、労働人口全体から見れば依然として少数派、マイノリティなんですね。このマイノリティというものですが、そこに目を向ける、威勢の良い言葉を使うなら、そこに突っ込んでいく政府であるか、いや「イキ」「ママ」(校正用語)とする政府であるかという点は、21 世紀現代において一国の成熟度を測るモノサシのひとつといえるのではないかと思います。 次に緑色の2番目の囲みですが、ここはすべて引用しましょう。 フリーランスは雇用契約を結んで働く労働者のように定期昇給やベースアップなどで収入が増えるということはなく、法律で定める最低賃金も適用されません。 そのとおりですね。知っていますよ、当事者の私はもちろんのこと。しかしこれは私を含むフリーランスの人々のための文章ではありませんね。派遣社員、契約社員、パート・アルバイトで働く人材以上に「雇用の調整弁」としてフリーランスをいいように扱い、倫理や人道、正義といったものからは遠く離れた当該企業の全関係者が読むためにある文章ではないでしょうか。 2022 年1月14日付「ユニオ

トマト三昧、短文限定サイト開設

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当ブログの姉妹サイトの位置づけで、新たなサイト『 在宅校正者の日々短文ブログ』 を開設、今日から投稿を始めました。サイト名のとおり短文限定のブログです。「超」を付けてもよいぐらい本当に短いブログなんですよ。余白もありながら多くて 10 行程度。1分と言わず 30 秒もあれば読み終えていただけるのではないかと思います。 仕事は幸いなことに1年を通じて繁忙期も閑散期もなく、いつでもたいがい仕事があるといった調子の在宅ワーカーなのですが、今年は取引先のうちの1社が年末に向けて新刊本が目白押し、とても忙しくなるとのことで、10 月時点から「よろしくメール予告」を受けており、すでにその状態になっています。 しばらくまとまった記事が書けないかなと残念に思っていたところ、いい考えが浮かびました。「そうだ、短いブログを始めよう!」―  多少忙しくてもササっと書けるブログサイトを作ればいい。私は書くことが好きなものですからね。 早速 Google のブログプラットフォーム Blogger で、タタタ、タタタン、テテテ、トトト、パパパ、パパパンと作成に着手。「目にすると活力が湧いてくると言われる〈赤〉をベースの色にしたい」と思いました。サイトの背景画像には複数のトマト、プロフィール写真もトマト、投稿文に添える画像もトマト。トマト三昧「赤でいっぱい」のブログです。 サイト名は「トマト通信」「トマト便り」「トマトの部屋」「トマトの声」等々、いくつか案が浮かんだのですが、最終的には「日々短文」― 分かりやすいものに決めました。赤、赤、赤 ―。魔除けの色とも聞きますね。読者の皆さんにも赤の「活力」が伝わり「魔除け」の力が及びますように。 初回の記事タイトルは「 起床時間は午前4時 」です。 ぜひお気軽にご訪問ください。 ※1 このサイトは2022年7月20日に閉鎖いたしました。 ※2 当サイト上の〈他サイトアーカイブ〉クリックで、投稿したすべての記事をご覧いただけます。 *****

書籍校正者は「漢字博士」か?

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Photo by kaori kubota on Unsplash 「書籍の校正や校閲の仕事をしているような人は、およそ知らない漢字などないのだろう、やたらに画数の多い〈薔薇〉のような漢字もササッと書けたりするのだろう、何と読むのか分からないような難しい漢字でも、薔薇より画数の多い漢字でも普通に書くことができるのだろう、まさに漢字博士ですよね、あ、漢字検定なんかも1級とかお持ちなんでしょう? いやお持ちでなくてもね、パッと受験したらパッと受かっちゃうんでしょうね、あの、やっぱり大学は国文学科をお出になっていらっしゃる?」 いいえ、そんなことはありません(笑)このサイトでも何度か記事にした放送大学に編入学する前のその昔、私は早稲田大学第二文学部の学生だったのですが、中退のうえ専攻は歴史学でしたし、漢字検定などは1級どころか受験したことすらないんですね。校正・校閲の仕事をしている人間が国文学科を出ているとか、とりわけ文学を好んでいるといった顕著な傾向などというものは、少なくともフリーで働く人間の間には見られません。言い換えれば、国文学を専攻していなくても文学に疎くても、校正者や校閲者にはなれるということです。 例えば本を読むより釣りやゴルフや料理が好きだという人もいますし、大学で心理学を専攻した人が、オフィス用品の分厚いカタログ校正に取り組んでいたりもします。消しゴムやクリップやセロハンテープや蛍光ペンの写真と価格と商品名等を確認し続ける校正作業で、日に軽く数万を稼いでいたりもするんですね。フリー校正者のバックグラウンドは実に多様です。 私の職歴は直近  13  年、それよりかなり前にも校正の仕事をしていた時期があり、通算  21  年ですので短くはないほうに入るかと思いますが、ある時期まで、こと漢字に関しては弱かったんですね。もともと日本語が好きではなく、 10  代の終りごろから外国語のほうに大きな比重をかけていました。日本語以前に日本自体が好きではなかったので反動が大きかったんですね。英語にフランス語、韓国語にドイツ語とやたらに手を伸ばしていました。 結果、校正・校閲の仕事でも対応可能な実力がついたのは英語と韓国語の二つだけですが、英語一つにしましても「ある程度できる」ぐらいで「外国語がよくお出来になるんですね」ということになってしまう国ですから、英・韓はも

公正取引委員会と在宅校正者の長電話

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Photo by Vinicius "amnx" Amano on Unsplash 以前、公正取引委員会の希望で電話ヒアリングに応じたことがあります。所得補償保険の掛け金が優遇されることただ一点が魅力で数年前に加入した団体「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」から、ある日1通のメールを受信、協力要請のあった任意のアンケート調査に回答、返信したのが事の始まりでした。このアンケート調査では末尾のほうで「回答後に公正取引委員会から調査協力の依頼があった場合に応じるか応じないか」という趣旨の質問があり、私は「応じる」と答えました。同じ回答をした複数名の中に私も加えられたということでしょう、当該機関担当者から初めて直接のメールを受信したとき、自分のフルネームの近くには「No.△△」という形で2桁の数字が併記されていました。 そのメールには「この調査協力の依頼は、あくまで調査が目的であり、フリーで仕事をしている個々人に生じた、あるいは生じている個別の問題について相談を受けるものでもなければ、その解決に助力するものでもない」という趣旨の断り書きがありました。「ごちゃごちゃした話は聞きませんからね。こちらの知りたいことだけを話してくださいね」ということでしょう。加えて「電話で話す時間は 30 分程度」という趣旨の文言も記されていました。「長話はお断りです。こちらが聞くことだけに答えてくれれば 30 分で足りますからね」ということでしょう。 しかしこちらが何も言っていない、尋ねてもいないのに、依頼者側があれこれ条件を付けてくるというのもおかしな話で、それをまたおかしいとも思わずに平気で言ってのけてしまうあたりがさすが霞が関ですね。世間知らずぶりが炸裂しています。この二つの「予防線」は私にとってどうでもいい事柄でしたが、随分と用心深いものだなという印象を受けました。 東京・霞が関地区  出所:国土交通省ホームぺージ(https://www.mlit.go.jp/gobuild/kasumi_kasumi_kongo_kasumi_kongo.htm) だいたい国が助けてくれるものなら、とっくの昔に助けられていたはずなんですね。いったいどれだけ一人で闘ってきたか。何の後ろ盾もない個人がたった一人で企業を相手にするわけですからね。です

在宅校正、赤ペン1本で副収入!?

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Photo by 和 平 on Unsplash   『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』―  2016  年放映のテレビ番組ですが、一般にはおよそ知られていない職業を扱うドラマでも視聴率が取れる人気女優の力はすごいものですね。「こんな仕事があるのか」「校閲ってこういう仕事なのか」― このドラマを通じて初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。今回の記事タイトルは「在宅校正、赤ペン1本で副収入!?」― 末尾の感嘆疑問符は「何でしょうね!このフレーズは?」という私の驚倒と疑義を表しているのですが、校正・校閲の仕事に興味・関心がおありの方にはこの手の詐欺的文言に躍らされることのないよう願うところです。 出所:日テレ ホームぺージ( https://www.ntv.co.jp/jimisugo) 本日は校正・校閲の仕事について書いてみたいと思いますが、一言で仕事と言いましても範囲が広いものですから、ここでは一つ「筆記具」を切り口に進めてまいります。この筆記具というのも扱うものが書籍か雑誌か、リーフレットかポスターか、チラシかカタログか等の別によって用具が変わってくるのですが、私自身がこの  10  年余り、書籍をメインに仕事をしていますので、今回の記事では書籍に限ったお話をいたします。 下の写真は私物の一部を撮影したもので、上から順に色鉛筆グリーン、シャーペン  0.5 、 0.3 、ちなみに芯の濃度は薄めの  H ~ HB 、中間の  2B 、濃いめの  3B ~ 4B  を常に用意しています。それから赤ボールペン  0.38 、 0.5 、 1.0 、マーカーはイエローとオレンジ、青ボールペン が 0.5 。これらをよく使っていますね。表題にある「赤ペン1本」は事実に即しておらず、それだけでは仕事にならないのが実際です。 上から二つ目の画像ではご覧のとおり、出版社勤務の校閲者を演じる石原さとみさんが赤の色鉛筆1本を手にしていますね。着ている服も口紅の色も赤で統一されています。分かりやすい、伝わりやすい、摑みやすい。限りあるスペースですからこうもなるでしょう。視聴率のかかった番組宣伝用の大切なカットですから、インパクトの強いものが求められるのは仕方がないことだとも思います。ただそれとは別の話として、こうしたシンボリックな物の見せ方というのは何につけても望

校正&校閲、キャリア相談は完全無料

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Photo by Matt Collamer on Unsplash つい先日のこと「 おとなの新路相談室 」という聞いたことがないサイトの運営事務局から1通のメールを受信しました。本文中に案内のあった当該サイトを訪問してみますと「株式会社仕事旅行社」が展開するオンラインでのキャリア相談サービス事業とのこと。数年前に加入した「 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 」のサイトで公開している私の個人ページに連絡先として載せてあるメールアドレスを使って送信してきたんですよね。同協会でしか使用していない Gmail アドレスでしたからその点は明白です。なるほどね、そういうところに目をつけて営業をかけてきたということです。 このオンラインサービスでは「ホスト」と呼ばれるキャリアコンサルタントが、相談者と1対1のビデオ通話で当該の職業に関する情報を聞かせてくれたり、助言を与えてくれたりするそうです。私に送信されたメールの用件は、このキャリアコンサルタント、即ちホストになっていただけないか、その登録手続きをお願いできないかというものでした。そのこと自体に問題はなかったのですが、①実名での登録が原則、それは構わないと引いたものの、②顔写真も掲載、というところでダメだなとなりましてホスト登録は見送りました。ただ、①②の上をいってトドメ的にアウトだったのは、③相談者から料金を取るシステム、という点なんですね。 「ビジネス」です。運営事務局のマージンは 20 % 、なるほどそうでしょう「ビジネス」ですからね。言い直しましょう「ビジネス」であるなら当然のこと金銭が発生します。料金はホスト各自で自由に決められるようでした。数十名の登録済みホストをざっと見た限りではありますが  30 分無料、 60 分無料というホストも各1名見受けられましたので、相談者から料金を取らないという選択肢もあることは分かりましたが、そんなホストはごくわずかで大方は堂々金額を掲げていました。安い場合で 60 分あたり 1000 円から  2000 円、ただし 2000  円以下に設定しているホストは少数派。その他大勢が  3000 円から 6000 、 7000 円の間、さらには  8000 円台、 9000 円台のケースもあり、最高額は  10000 円でした。 この事業