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校正入門、はじめの一歩は独習可

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「校正実務は未経験、やはり通学制の専門学校に行くのがベストだろうか、あるいは通信制の講座を受講するのはどうだろうか」等々、校正の学び方について悩んでいる方にお勧めしたいのが「とにかく実践」の第一歩として、書き込み式の練習帳を用いた模擬校正を「まずはやってみる」という入り方です。校正とは云々という類いの書き物は、エッセイにしろ指南書にしろ、あるいは教本でさえあったとしても、それらをどれほど読み進めたところで「実務に触れる」ことはできませんよね。「ああ、そうなのか、ふ~ん、なるほどね」という〈外から眺める校正〉は後回し、〈自分が当事者になる校正〉を優先するのがよいのではないかと思います。言うまでもなく校正は、実務をもって校正でもありますのでね。 上の写真は、 日本エディタースクール 出版部 発行の『校正練習帳』という本で、タテ組編とヨコ組編がそれぞれ出ています。定価はいずれも  500  円(本体)プラス消費税で1冊  550  円。試しにちょっとやってみるのに金銭的な負担も少なく、分量も各  60  頁ほどの薄い本ですから、あまり時間を要さないという点でもお薦めです。端から事細かに書かれている重量級の本を摑んでしまうと挫折する可能性も出てきますのでね。まずは大網を掬うという心づもりでトライするには格好の教材だと思います。他に用意するものは芯の太さが 0.38 以上 0.5 以下の赤ボールペン1本で  OK 。ちなみに私が使用しているのは、三菱鉛筆のジェットストリーム。ペン先の滑りが良く発色が鮮やか、つまり濃く書ける、さらには速乾性も高いという点で一択です。 下の写真はタテ組編の見開きですが、右頁は「①誤字を直す」、左頁は「②文字を入れる」となっています。1項目の学習が1ページで完結するコンパクトな構成なんですね。 ピンクの囲みの部分には、校正記号の標準的な書き方と入朱例(赤字の入れ方)が表示されており、次は入朱例のとおりに赤ペンを使ってなぞり書きを行う箇所、そして今度は自分自身で入朱する箇所が続きます。頁の下段には「こんな点にも気をつけよう」という見出しで、上段で示された以外の書き方や注意事項が記されています。この見開き  2  項目を終えると、そこで学んだことをきちんと習得できているかを試す練習問題が次の頁に用意されているんですね。「校正本番」の機会が短い間隔で訪れ

公正取引委員会と在宅校正者の長電話

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Photo by Vinicius "amnx" Amano on Unsplash 以前、公正取引委員会の希望で電話ヒアリングに応じたことがあります。所得補償保険の掛け金が優遇されることただ一点が魅力で数年前に加入した団体「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」から、ある日1通のメールを受信、協力要請のあった任意のアンケート調査に回答、返信したのが事の始まりでした。このアンケート調査では末尾のほうで「回答後に公正取引委員会から調査協力の依頼があった場合に応じるか応じないか」という趣旨の質問があり、私は「応じる」と答えました。同じ回答をした複数名の中に私も加えられたということでしょう、当該機関担当者から初めて直接のメールを受信したとき、自分のフルネームの近くには「No.△△」という形で2桁の数字が併記されていました。 そのメールには「この調査協力の依頼は、あくまで調査が目的であり、フリーで仕事をしている個々人に生じた、あるいは生じている個別の問題について相談を受けるものでもなければ、その解決に助力するものでもない」という趣旨の断り書きがありました。「ごちゃごちゃした話は聞きませんからね。こちらの知りたいことだけを話してくださいね」ということでしょう。加えて「電話で話す時間は 30 分程度」という趣旨の文言も記されていました。「長話はお断りです。こちらが聞くことだけに答えてくれれば 30 分で足りますからね」ということでしょう。 しかしこちらが何も言っていない、尋ねてもいないのに、依頼者側があれこれ条件を付けてくるというのもおかしな話で、それをまたおかしいとも思わずに平気で言ってのけてしまうあたりがさすが霞が関ですね。世間知らずぶりが炸裂しています。この二つの「予防線」は私にとってどうでもいい事柄でしたが、随分と用心深いものだなという印象を受けました。 東京・霞が関地区  出所:国土交通省ホームぺージ(https://www.mlit.go.jp/gobuild/kasumi_kasumi_kongo_kasumi_kongo.htm) だいたい国が助けてくれるものなら、とっくの昔に助けられていたはずなんですね。いったいどれだけ一人で闘ってきたか。何の後ろ盾もない個人がたった一人で企業を相手にするわけですからね。です

在宅校正、赤ペン1本で副収入!?

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Photo by 和 平 on Unsplash   『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』―  2016  年放映のテレビ番組ですが、一般にはおよそ知られていない職業を扱うドラマでも視聴率が取れる人気女優の力はすごいものですね。「こんな仕事があるのか」「校閲ってこういう仕事なのか」― このドラマを通じて初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。今回の記事タイトルは「在宅校正、赤ペン1本で副収入!?」― 末尾の感嘆疑問符は「何でしょうね!このフレーズは?」という私の驚倒と疑義を表しているのですが、校正・校閲の仕事に興味・関心がおありの方にはこの手の詐欺的文言に躍らされることのないよう願うところです。 出所:日テレ ホームぺージ( https://www.ntv.co.jp/jimisugo) 本日は校正・校閲の仕事について書いてみたいと思いますが、一言で仕事と言いましても範囲が広いものですから、ここでは一つ「筆記具」を切り口に進めてまいります。この筆記具というのも扱うものが書籍か雑誌か、リーフレットかポスターか、チラシかカタログか等の別によって用具が変わってくるのですが、私自身がこの  10  年余り、書籍をメインに仕事をしていますので、今回の記事では書籍に限ったお話をいたします。 下の写真は私物の一部を撮影したもので、上から順に色鉛筆グリーン、シャーペン  0.5 、 0.3 、ちなみに芯の濃度は薄めの  H ~ HB 、中間の  2B 、濃いめの  3B ~ 4B  を常に用意しています。それから赤ボールペン  0.38 、 0.5 、 1.0 、マーカーはイエローとオレンジ、青ボールペン が 0.5 。これらをよく使っていますね。表題にある「赤ペン1本」は事実に即しておらず、それだけでは仕事にならないのが実際です。 上から二つ目の画像ではご覧のとおり、出版社勤務の校閲者を演じる石原さとみさんが赤の色鉛筆1本を手にしていますね。着ている服も口紅の色も赤で統一されています。分かりやすい、伝わりやすい、摑みやすい。限りあるスペースですからこうもなるでしょう。視聴率のかかった番組宣伝用の大切なカットですから、インパクトの強いものが求められるのは仕方がないことだとも思います。ただそれとは別の話として、こうしたシンボリックな物の見せ方というのは何につけても望

校正&校閲、キャリア相談は完全無料

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Photo by Matt Collamer on Unsplash つい先日のこと「 おとなの新路相談室 」という聞いたことがないサイトの運営事務局から1通のメールを受信しました。本文中に案内のあった当該サイトを訪問してみますと「株式会社仕事旅行社」が展開するオンラインでのキャリア相談サービス事業とのこと。数年前に加入した「 一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会 」のサイトで公開している私の個人ページに連絡先として載せてあるメールアドレスを使って送信してきたんですよね。同協会でしか使用していない Gmail アドレスでしたからその点は明白です。なるほどね、そういうところに目をつけて営業をかけてきたということです。 このオンラインサービスでは「ホスト」と呼ばれるキャリアコンサルタントが、相談者と1対1のビデオ通話で当該の職業に関する情報を聞かせてくれたり、助言を与えてくれたりするそうです。私に送信されたメールの用件は、このキャリアコンサルタント、即ちホストになっていただけないか、その登録手続きをお願いできないかというものでした。そのこと自体に問題はなかったのですが、①実名での登録が原則、それは構わないと引いたものの、②顔写真も掲載、というところでダメだなとなりましてホスト登録は見送りました。ただ、①②の上をいってトドメ的にアウトだったのは、③相談者から料金を取るシステム、という点なんですね。 「ビジネス」です。運営事務局のマージンは 20 % 、なるほどそうでしょう「ビジネス」ですからね。言い直しましょう「ビジネス」であるなら当然のこと金銭が発生します。料金はホスト各自で自由に決められるようでした。数十名の登録済みホストをざっと見た限りではありますが  30 分無料、 60 分無料というホストも各1名見受けられましたので、相談者から料金を取らないという選択肢もあることは分かりましたが、そんなホストはごくわずかで大方は堂々金額を掲げていました。安い場合で 60 分あたり 1000 円から  2000 円、ただし 2000  円以下に設定しているホストは少数派。その他大勢が  3000 円から 6000 、 7000 円の間、さらには  8000 円台、 9000 円台のケースもあり、最高額は  10000 円でした。 この事業

放送大学「卒業証書・学位記」到着

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本日午前、放送大学学生課卒業判定係より「卒業証書・学位記」が到着しました。 濃紺のカバーケースは落ち着きがあって素敵です。 宅配便はヤマト運輸、しかし宅配袋は佐川急便という、民間大手2社採用。 バランス感覚がいいですね(笑) 在学中に人から言われた言葉をいくつか挙げておきましょう。 1、「素晴らしいですね」 2、「私もボケ防止に始めようかな」 3、「興味深いことですよね」 4、「見習わないといけないな」 5、「私も五十の手習いを考え始めたところなんですよ」 6、「多くの知見を得ることは公私にわたって有益ですよね」 (続く)  ・  ・  ・     私が一言申し上げるなら「しゃべってないで、やるならとっととやったらどうだい」 😁 さてさて終わりは終わりでありながら、同時に始まりでもありますね。今後の学業については複数の案があるのですが、進展があり次第記事にしたいと思います。最後になりますが、今学期をもって放送大学教養学部を卒業される皆さん、心よりお祝い申し上げます。 *****

問題は脆弱な自己、テレワークに非ず

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タイトルは「祝・テレワーク十周年記念、所感」などとしてもいい。正確には来年4月で丸十年を迎える自身の働き方が完全在宅稼働。今どきはテレワークといいますね。しかし外来語の使用や和製英語が相変わらず煌めいている漢字文化圏、東の果て日本。明治以来の劣等感を未だに引きずっているのでしょうか。十年ひと昔、けれど過ぎてみれば早いもので忘れていることもおそらく多い半面、忘れずにいることも少なくありません。言えるのは「継続こそ力なり」 ― それに尽きるということ。私は昔から気が短くて何でも誰でも簡単に切る、捨てる、放る、そういうところが長らく岩のようにどしりとあって、自分は一生こんなふうだろうなと思っていたんですが、ここ数年で少し変わりました。 ところで先述のフレーズ、昔から今も耳にするのは「継続は力なり」ですけれども、この「は」の所を「こそ」に替えて私に伝えてくれた人がいたんですね。この十年の間のことですが一度だけ言われました。二度は言わないんですよね、頭のいい人は繰り返さない。そして同じく頭のいい人は一度言われれば摑みとる。ということは、つい最近まで繰り返しメディアを飛び交っていた「安全・安心」の発信元はものすごく頭が悪いってことになりますかね(笑)「継続こそ力なり」 ― この言葉を得て以降の私は本来の「継続は~」ではなく「継続こそ~」のフレーズが根付き、おそらく今後も変わらないだろうと予想していますがこの日本語のセンスいかがでしょうか。こうして勝手に作り替えてしまうというのもその人の、あるいは個々人の才能・能力の表れの一つかと思います。 本題ですが上の写真は時々買っていた「東京新聞」の先月の記事で、見出しはご覧のとおり「テレワーク 募る孤独」 ― 。実は最近この新聞をほとんど買わなくなっていて、理由は「だいたいこの手のことを取り上げるんだよな」「で、だいたいこういう内容で書くんだよな」「で、だいたいこんな感じで締めくくるんだよな」等々、読む前から分かってしまう、察しがついてしまうので読まない、買うまでもないということですね。今回は家人が買ってきていたのをたまたま目にしたという偶然の産物なんですが、この見出しが引っかかったのでとりあえず切り抜いて保管、後日気になる箇所に傍線を引きはじめたら、本文ほとんど線を引いちゃいましてね(笑)この「気になる箇所」というのは良い意味ではなくて

嫌いな言葉は縁の下の力持ち

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昔から校正者がよく言われる言葉に「縁の下の力持ち」「陰の立役者」というのがありますけれども、これがとにかく大嫌いな表現なんですね。虫唾が走ります。この記事を出版社の社長や編集者、それとブラック編集プロダクションやブラック校正会社の方々が運よく見つけて読んでくださるといいんですがね 。頼みますよ、あ!そこのあなたよ、そこの! 言葉だけの話なら別ですが、本当にそう思っている人間がいるのが困るんですね。不快でありいい迷惑でもある。だいたい「縁の下の」ですとか「陰の」というのはね、考えたらものすごく失礼だってことに気づきません? あ、気づかないです? それではなおのこと話を続けなければなりません(笑)あのですね、そうやって陽の当たらない裏っかしのほうですとか、湿気の強い部屋の奥のほうですとかにね、校正者を押し込むのはいい加減やめなさいってこと。私たちは縁の下になどいやしないし、陰に潜んでいるわけでもありません。あなたがたと同じ土俵にいることをあなたがたが認めないというだけの話です。頭大丈夫ですか? 編集と校正の「主従関係」 ― 積年の問題ですけれども、ここをカギ括りにしているのは編集者と校正者が「主」と「従」の関係にあるとは微塵も思っていないからなんですね。それから校正者、校閲者でもいいですが、こちら側にも一定の「問題」がある。なにせ口下手、自虐的、社会性を欠き「言わない」「主張しない」もちろん仕事内容、料金に関することですがボランティアじゃないんですから黙っていないで挑むべきだと思いますよ。プライドがあるならそうすべきですし、そうしないではいられないはずです。それとも プライドが持てるほどの実力がありませんか。プライドを保てるだけの実績を積んでいませんか。プライドで自身を支えられるほど熱心には仕事をしてきていませんか。ね、そういう「問題」というものがあります。この件はいずれまた記事にするかとも思いますので、今日のところはこのへんで。 *****

校正&校閲の仕事に興味がある方へ

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Photo by Brett Jordan on Unsplash 今日はタイトルのとおり、校正や校閲の仕事に興味・関心がおありの方、校正・校閲職を希望している方にお知らせです。ここ数日の間に複数名からコンタクトがあり、ならば一度きちんと告知を行うほうがよいかと思い至った次第です。 私は通算 21 年、直近 13 年の職歴を有しています。外国語辞書に始まり、外資系日刊紙、商業印刷物、広告のほか、企業・団体・大学等教育機関の各種印刷物など様々なジャンルを対象とする実務経験を経て、以後現在は実店舗や通販サイトで販売されている書籍をメインに完全在宅稼働のフリーランスとして独立しています。但し「雑誌とウェブサイトを除く」という断り書きをいれなければなりません。その分野は詳しくありませんのであらかじめご了承ください。また、仕事は紙でしか行なっておりません。通常「ゲラ」と呼ばれるものですね。書籍の他には各種団体の定期刊行物、会報、広報誌等を日常扱っています。 校正・校閲の仕事は「やりだしてみなければわからない」、業界についても「入ってみなければわからない」それぐらいに情報が少ない職業の一つではないかと日頃から感じています。上記の業務内容はざっくりしたものですが、何かお役立ちできることがあればと思いますので、ご質問やご相談はお気軽にお寄せください。 ご連絡は「CONTACT」に記載のメールアドレスまで。「こんなことを尋ねるのは話が違うだろうか?」「こんなことを言うと相手にしてもらえないだろうか?」「こんなことを打ち明けてもいいだろうか?」などと考えこまずにどうぞ。お返事のメールは遅くとも3~4日以内、かなり遅い場合でも1週間を目途にお送りいたします。 ※関連記事「 校正&校閲、キャリア相談は完全無料 」のほうもよろしければどうぞ。 *****

卒業確定、放送大学個人ページ公開

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前回の記事で取り上げた在学中の放送大学 。上の写真は先月末に郵送されてきた「卒業見込」に関する書面とその封筒。放送大学はそれこそ「全国区」の大学ですが、本部所在地は千葉。東京ではないんですよね。さてさて、先週 20 日に学期末試験の結果発表があり、無事卒業確定となりました。来月末日付の卒業を記念して今日は放送大学仕様の個人ページを公開しようと思います。いろいろな情報が詰まっていて、学生個々人がいつでもアクセス可能な「マイページ」は、もちろん当事者以外が見ることはできないオンライン上のシステムです。  上の画像は「履修成績照会」というページで、学生種別や所属コース、登録している学習センター名や修得単位数等々が載っています。黄色で伏せてあるところは私の本名と学生番号。このページの下のほうには次の画像の「科目一覧」が続き、自分が履修した科目名や中間試験に当たる通信指導の合否などを見ることができます。今学期は4科目を履修して通信指導は全部合格。単位認定試験を受ける資格の有無がその右にあり、すべて「有」になっています。 ↓ ↓ ↓ ↑ ↑ ↑ スクショは粗いですね。画像のオレンジの囲みの中央に科目名がありますが、上から順に「精神看護学」「老年看護学」「精神疾患とその治療」「今日のメンタルヘルス」。ところでつくづく「世の中知らないことばかりだな」と思うんですね。自分が好きだ得意だ本もよく読んでいる、そういう分野以外の勉強をしたときに。今学期がまさにそうでした。畑違いの科目ばかりを取ってみたんですよね。心意気はいいとして、いざ教科書を開くと本当に知らないことばかりで、怖ろしいぐらい知らずにきたな、知らずにいるなと自覚した次第です。そんな「これまで知らなかったことを知ることができた」という実際的な会得がある一方で、もう一つ重要なのは自分の無知さ加減を思い知ることで、簡単に言うと謙虚になっていく、少し捻って言えば口が重くなっていく、そうした変化がもたらされる経験を得るという点なんですね。 自分がよく理解していない事柄や人物などに関して簡単に口を開いてしまう愚かさや足りていなさが抑え込まれていくというんですかね。近頃は有名人でも一般人でも、やたらと議論めいたり人を批判したり、当たり前のような顔で叩いたり非難をしたりしますけれど、そういうことをしないタイプの人間に薄紙一枚また一枚、変わっ

放送大学 IN 東京・茗荷谷

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  2018  年  10  月、 放送大学 教養学部3年次に編入学したんですね。ここは正規の学生を全科履修生と呼んでいます。先日のこと、今学期9月末日付卒業予定者宛ての書類が自宅に郵送されてきました。学期末試験結果待ちの現在、あくまで卒業は予定・見込ということですね。3年次編入学は最短2年間の学生生活ですが、私は端から2年は無理、早くて3年、上限6年もありだなという感じで入学した結果3年で卒業見込ですから、仕事第一の社会人としては上出来なほうかなと思っています。 取引先への感謝もありますね。「今学期は勉強に専念する。数か月仕事はしない」などとメール一本で済ませられるのもフリーランスの「なるほど・ザ・自由ワールド」なんですが「承知しました。学業に対する真摯な姿勢に敬意を表します」だなんて信じられないような立派な返事をよこす人もいたりして素晴らしいんですね(笑)そんな「浮世離れ大陸」に生息する私がその後のある日唐突に「来週から仕事する。カラダが空く」といった電報のようなメールを飛ばすと「ご連絡ありがとうございます。早速一件ご検討いただきたいのですが、ご都合いかがでしょうか」と返してくる。出来がいいですね。偉いの一言、感心させられます。それもこれも私の実力のなせる業ということなんですけれどもね(笑) 上の写真はガラケーで撮ったもので、そのわりによく写せたので大事にとってあります。この種の写真の価値というのは  10  年後  20  年後もっと先の  30  年後ですとか、長い時間が経って高まるものかもしれません。今の今ではなくてね。入学後、初めて登校したときに撮った写真なんですが、後悔は「あーあ、建物の中も撮っておけばよかったな」1枚もないんですよね。屋内は広々としていてとてもきれいなんですよ。色調も造りも落ち着きがありました。 放送大学は北海道から沖縄まで「なになに学習センター」という名前が付いているんですよね。他に「サテライトスペース」という呼び名のところもあります。いずれにしても 「なになに校舎」とは言わないんですね。通学制ではありませんから当然かと思いますが。私が 所属していたのは 東京文京学習センター というところで、住所は東京都文京区大塚、最寄り駅は東京メトロ丸ノ内線の茗荷谷駅。写真の正門の看板が筑波大学と横並びなのは、この建物を両大学で使っているからなん

目薬と視力の弱い校正者

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中学生の頃から目が悪くなりだしましてね。今の視力は右  0.1  以下、左  0.3  ですから校正者としては惜しいところなんですが、まあ仕方がないですね。無いものは無いもの、失ったものは失ったもの、潔く諦めるのも生きていくのに欠かせない要素だと思っています。落としどころですね。「諦めない」という頑張りだけがマストでもベストでも賢明でも褒められたものでもない。短時間、短期間なら諦めきれない、食い下がる、恨み言の一つも泣き言の二つも(笑)なんて状態もあるでしょうしそれでいい、仕方がないとも思いますが、どうしようもないことに対していつまでも惜しんでいたり悔やんでいたり傷ついていたりこだわり続けているといいことないなと思うんですね。 何より自分が苦しいですよね。挙句に心療内科に行ったりしましてね。せっかく専門家を頼ったのに白衣を着た初対面の人から「誰にもそんな悩みはあるものなんですよ」程度の私でも口にできるようなことを言われて傷ついたりなんかして二重苦。当然支払いも生じますから経済面で三重苦。帰路では「医者のくせにまったくなっていない」だなんて軽めの恨みと深めの失望を抱え込んだりして四重苦ですか(笑)考えている、 悩みを深めているって聞こえは障りがないですし、頭が良さそうな空気感すら周囲に放つこともできるんですが、自己陶酔や甘えの部分もなくはない。そういう類いの人を結構見てきたかなと思います。 一見賢そうに話したり書いたりしているんですが、見続けていると堂々巡りの一言というパターンが少なくありません。酷いケースだと家族や他人、友人・知人を含めての他人ですが「考え悩み思考するオレ/アタシ」を周囲にまき散らす人というのが残念ながらいらっしゃる。成熟に遠いタイプですね。自分の不満風や不幸風をビュービューゴーゴー吹きっぱなしにしているものですから、吹きつけられる側は疲労感を覚えたり、時間に比例して手立てもなくなってきたりするわけです。人間は万能ではありませんし「オレ/アタシ」な人たちにとっていつでもどこでも都合のよいイエス・キリストの如き存在になれるわけでもない。不満風と不幸風に晒され続けているうちに「こちら」の体が冷えてきますと、風を吹きっぱなしにしている「そちら」の側との関係も徐々に危ういものになってきます。 けれども「そちら」の人たちというのはそんなことをまったく気にかけて

カラダが資本、味方は高麗人参茶

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おととしの秋、地元の喫茶店でいきなり倒れて、気づいたときには完全に床に寝ている状態だったんですよね。部屋のベッドで普通に寝ているときの格好。意識消失っていうんですね。目が覚めて最初に視界に飛び込んできたのは知らない初老の男性の顔のアップ。映画館の大きなスクリーンで俳優の顔が間近に迫ってくるような感じですね。「救急車がすぐ来るからね。大丈夫だから。起きずにそのまま寝てなさい」って自分の娘か孫娘に言い聞かせるように目を合わせておっしゃったんですよね。人の気持ちや善意って素晴らしいものだと思います。 「世の中結局カネなんだよ」だなんて言う人がいますけれども違いますね。バカ言ってもらっちゃ困りますよ(笑)自覚症状はなくても倒れたときに、もしかしたら頭を打っていて、その日のうちに死んでしまう可能性がまったくなかったとも言いきれない。そんな事態に及んで偶然そこに居合わせた人が、そばで倒れた赤の他人に対してそれこそ名前も知らない、顔だって一度も見たことがない人間に優しく適切な言葉をかける、そういう人が一方にいて、それを受け止める側の人間との間のいったいどこにカネが存在しているわけですか? していないわけですよ一円たりともね。毎日の暮らしですとかもっと大きく言うなら人生ですとか、本当に突き詰めていくと問題はお金ではないんですよね。ですから「世の中結局カネなんだよ」だなんて分かったような口をきく経験不足の大人は気の毒です。世の中結局カネではないんですよ。 意識がなくなっている間に店の人が救急車を呼んでいたんですよね。現れた消防隊員は全部で3人でしたか、彼らが到着した頃には私はもう体を起こしていましたし、ゆっくりながらも腰をあげて脚の長いお洒落な椅子に座ることもできていたものですから「もう平気なのでこのまま家に帰ります」と言ったんですが「頭を打っている可能性があります」「帰宅後に異変が生じたらもっとしんどいことになりますよ」などなど、いろいろプロに言われてみますと「確かにそうだな」とどんどん納得(笑)人生初の救急搬送に同意しました。しかしサイレンというのは緊張感がありますね。信号無視、本当に速い、車がスースー進んでいく。日本は救急車がタダだからいいですね。当たり前のように一銭も払わずに乗車しているわけですけれども、世界を見れば当たり前ということでもない。オーストラリアは  10  万以